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平成28年度豊丘村南北小学校卒業式祝辞
祝辞
庭先の木々の芽もふくらみ始め、春の訪れを間近に感じさせる今日の佳き日、小学校の卒業式がこのように盛大に挙行されましたことに、心よりお祝いを申し上げます。
本日、小学校のすべての学習を終了し、立派に卒業証書を手にされました卒業生の皆さん、本当におめでとうございます。
また、ご列席のご家族、教職員の皆さまには、これまでのご労苦に深く感謝申し上げ、ご来賓の皆様方の日頃のご協力に対し、厚く御礼申し上げます。
さて、卒業生の皆さんは小学校でたくさん勉強し、たくさんの人々とふれあい、心も体もすっかり成長されました。今の皆さんがあるのは皆さん自身の努力だけではなく、今日まで温かく育ててくださったご家族や先生方、地域の方々の見守りがあったからでもあります。
皆さんは、四月から中学生になります。
中学校では、小学校とは違うところがたくさんあります。また、自分で考え、自分で判断することが多くなります。さらに、数え切れないほどの新しい出会いがあり、皆さんの世界は一気に広がっていくことと思います。
一方で、多感な青春期を迎える中で、友だちとの関係など、人と人との関わりあいに悩んだり喜んだりする場面がたくさん出てきます。
時には辛いこと、悲しいこともあると思います。そんな時は一人で悩んでばかりいるのではなく、友だちに相談をし、それでも解決しないときには先生やご家族などの大人にも相談してください。もちろん、悩みが解決するとは限りませんが、相談することで人とのコミュニケーション能力が身に付き、一人前の大人へと育っていくのです。
私は卒業する皆さんのはなむけに、皆さんに毎年誕生月に手渡してきた誕生日本の袋に書いてある言葉を贈ります。皆さんは六年間見てきたわけですがなんて書いてあったか覚えていますか。そこには、
一、弱いものをいじめてはならぬ
二、困っている人がいたら手を差し出せ
三、わが身をつねりて人の痛さを知れ
四、恥を知る人たれ 以上四つの言葉です。
いずれも一五0年も前の明治維新の頃の薩摩藩と松代藩の言葉です。日本中で礼儀を重んじ、卑怯なことはするなという教育が徹底されていました。当時日本に来たアメリカの役人が「この国の人々は、すべての国の中で最高であり優れている。何よりも名誉を重んじ、貧しくとも礼儀正しく誇り高く生きている」と評しています。またある宣教師は「国民は質素で正直だ。こつこつと仕事に励み、いがみ合いもせず、満足の中で暮らしている」と話したそうです。
当時日本のどこでも「生きていく心構え」や「礼儀」が徹底され、卑怯なことを許さず、弱い者いじめをせず、互いに助け合うことができていたのです。そして素晴らしい日本を築いてきたのです。今、たいへんな社会問題となっているいじめが原因で生徒が自殺に追い込まれるという、いたたまれない問題や、幼いわが子の命を未熟な親が信じられないようなかたちで奪ってしまう事件が多発しています。この誕生日本の袋に書かれている四つの言葉の一つでも身につけることが出来れば、この様な問題は必ず解決することが出来るはずです。
卒業生の皆さん、誕生日本の袋に書いてある言葉を思い出し、弱い者いじめを許さない、相手の気持ちを考えられる人になってほしいと思います。
終わりに、卒業生の皆さんが4月から中学生として、勉学に、部活に、友人関係に大いに飛躍され、体も心も大きく成長されることを期待申し上げまして、お祝いの言葉といたします。
本日はまことにおめでとうございます。
平成二十九年三月十六日
豊丘村長 下平喜隆